人は天界から分け降された神の御種であります。
人の(種)は大宇宙創造神である天御祖神を初めとする四十九大御神の御働きによって、まず真中となる(核)が降され、その中心核に(魂)と(魄)とが結び合わされ、こうして(種)の三要素が一つになり、最も重要な中心部が出来上がります。
この中心部を基に人の音声が授けられ、また、五臓六腑が整えられ、さらに容貌がつくられ、人としての(原型)が出来上がるのであります。
天御祖四十九大御神の最も神秘的な御働きによるこの(御種)は、やがて地上に天降り、これよりは御種を守り給う天御中主大御神の御守護を得て五元素が融合調和され、(物)を生みなし、初めて肉体をもつ人の型が形つくられてまいります。
人はこの四つの要素(核、魂、魄、物)が結ばれて成り立つ、かけがえのない尊い生命体でありますが、この四つの最も大切な要素の一つ一つを、つなぎ結び合わせているのが(魂の緒)であります。
即ち、四要素が(魂の緒)により固くしっかりと結ばれることにより、人は初めて地上界で人としての生命活動を始めることが出来るわけであります。
そして、この地上界での生命活動のすべてを守り給えるのが伊邪那岐尊・伊邪那美尊の多賀大御神であり、人はこの神々の御守護なくしては一瞬も生きられるものではありません。
真に人は皆、気の遠くなるような時を経てようやく地上に生まれ出た尊い生命体であります。その尊い大切な生命の生涯を、いかに自分自身の心身を尽くして多くの人の為に役立つ事が出来るか、生命の限りどこまで成長進歩を成し得るか、これが人の生涯の最大の意味であり、目標であります。
しかし、その大切な生命の絆である(魂の緒)はそれほど堅固なものでなく、丁度数珠をつなぐ紐にゆるみがくるように、常にはかなく不安定な要因を含んでおり、これが私達の精神面、肉体面、あるいは活動面に生涯大きな支障をもたらしてまいります。
旧暦七月の望の日は、大宇宙すべての生命体の根源をつくり給う元つ神々の御縁日にあたります。年に一度、この奇しき御縁日に天界の元つ神々に祈り上げ、最も大切な四つの要素に光輝く神気を吹き込み、これらを結ぶ(魂の緒)をしっかりと締め直して、魂魄を奮い立たせ、心身を意気盛んに満々たる一年をお送り頂く事をお祈り申し上げます。
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